院長の職人歯科医コラム Column

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2011/07/26

40代も危ない歯周病

「かんだり、飲み込んだりしにくくなった。」というと、
お年寄りだけの問題だと思っていませんか。?

30~40代でも知らない間に歯周病は進みます。
食べにくくなるだけでなく、食事の内容が偏って、生活習慣病や
栄養不良に陥る恐れもあるそうです。

中高年が歯を失う最大の原因は歯周病です。

大人の歯は32本、親しらずを除くと28本。
食べたいものを何でもたべるには、18~20本以上の歯が必要といわれて
います。

2005年の厚生労働省の歯科疾患実態調査では、1人あたりの歯の本数(平均値)
40代前半27.5本だがその後は減って50代前半24.8本、60代後半には18.3本と
20本を切ってしまう。

歯周病菌によって、歯茎が赤く腫れたり出血したりする「歯肉炎」が進むと、
歯と歯茎の間に「歯周ポケット」というすき間ができます。

ポケットが深くなると、やがて歯を支える骨も侵され、抜けてしまうという
わけです。

実態調査では、歯周病が進み4ミリ以上のポケットがある人の割合は25%弱だが、
40代前半で30%弱、40代後半では40%を超えています。

歯周病で歯を失い、かみ合わせが崩れると、食べにくいものが出てくる。
歯垢は、口臭の原因になり、手入れを怠って舌に付いた歯垢が厚くなると、
味を感じる細胞の働きを妨げることもある。

こうした状態が続くと、味付けが濃くなったり食べ物が偏ったりする。

年老いて歯の具合が悪い人は、軟らかいもの、甘いもの、お菓子などを
多く食べる傾向があるとのデータもあります。

体重が増え、生活習慣病につながりかねない。
肉など動物性たんぱく質が不足すると、やせていなくても「低栄養」状態が
心配されます。

そこへ脳卒中やがんなどの大きな病気が生じると、歯科治療から遠ざかりがちになり
気が付いたら食べる楽しみも奪われてしまっている状態になってしまっていること
があるということを認識しておくことも必要です。

 


                      まつお歯科  松尾孝夫   文献:毎日新聞   

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