院長の職人歯科医コラム Column

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2011/05/30

酸性の飲食物で歯に穴

飲食物に含まれる酸により、歯の表面が溶けてしまう「酸触歯」。

進行すると冷たいものが歯にしみる知覚過敏。

原因となる酸性飲食物は、炭酸飲料やかんきつ類など、私たちの
食生活に深く根付いた身近なものばかり。

予防には、食生活の習慣を見直して、過剰摂取や不適切な飲み方、
食べ方を改めることが大切です。

酸性の飲食物を摂取すれば、当然のことながら口の中は酸性に傾く。

しかし通常は、唾液が酸を中和して口内を中性(PH7,0)に戻すとともに、
唾液に含まれるカルシウムなどが、溶けたエナメル質を修復(再石灰化)してくれる
ため歯の健康は、維持される。

ところが、酸に触れる時間が長い場合や頻度が高い場合には、修復が間に合わずに
酸食が進んでしまう。

エナメル質が薄くなって歯が欠け、象牙質が露出して歯が黄ばむ。
知覚過敏や痛みなどの症状も表れる。

例1  毎朝のジョギング後1年半にわたって黒酢を飲み続けた結果
    奥歯表面のエナメル質が溶けてクレーターのような穴が
    いくつも空き、象牙質が露出してしまった。


例2  手の甲のしみを薄くしようと、ビタミンCの豊富なグレープフルーツを
    3ヵ月以上にわたり毎日2個ずつ食べていた。
    かみ合わせの影響でもともと摩耗が進んでいたところに強い酸が加わり
    象牙質どころか、その下の歯髄までも露出して炎症が起きていた。


 
 治療には薬剤で歯の再石灰化を促す方法や、合成樹脂を詰めて欠損部を修復する
方法が取られる。しかし、何より大切なのは予防です。

炭酸飲料を頻繁に飲んだり、乳幼児にジュースを哺乳瓶で与え、そのまま寝かせたり
ワインをちびちび飲んだりするのもリスクを高めます。

 
 対策

 1 酸性飲料の摂取後は、水やお茶で口をすすぐ

 2 軟化した歯が削れるのを防ぐため、摂取後30分は歯磨きを控える。

 3 デンタルガムやフッ素入り歯磨き剤で歯質を強化する。

 
 対策としては以上です。


   
       まつお歯科  松尾孝夫  文献;毎日新聞  


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