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2014/04/05
今回のコラムは「歯のみぞが黒いスジだらけ!?」についてです。
◆歯のみぞが黒いのは着色それとも虫歯?
歯のみぞが黒なるのは単に着色しているわけではなく
虫歯になっていることが多いようです。
みぞは歯ができた時から存在していて、みぞの底は奥に
向かってまるでクレバスのように象牙質に近い部分まで伸びています。
その隙間は食べ物や虫歯菌が溜まりやすく、歯ブラシの先端でも
取り除くことが難しいほど狭い間隔しかありません。
さらにみぞの部分のエナメル質はほかの部分に比べて柔らかいため、
虫歯に対して抵抗性も弱くなっています。
このため虫歯の好発場所となっているのです。
◆歯のみぞの虫歯治療について
*保存的治療
みぞが黒く虫歯になっていても歯の場所や形によっては、
みぞにある虫歯が歯を溶かすスピードよりも、溶けた歯を唾液が
修復する再石灰化が上回っていることがあります。
この場合、急激に進行することは少ないため、みぞの虫歯は
現状を維持したまま進行せずに経過観察をすることができます。
さらに再石灰化を繰り返しているうちに次第にみぞの部分が
硬くなってきます。
みぞが黒いことさえ我慢できれば、無理に歯を削って
詰めなくても済むようになります。
*積極的治療
審美的に黒いみぞが問題になる場合や、歯の再石灰化が
間に合わずにみぞの奥が虫歯に溶かされ続けている場合は、
みぞに沿って歯を僅かに削り、白い樹脂などで埋め戻します。
特に再石灰化が間に合わないような状況では、虫歯がみぞの
奥に進行してしまうとみぞの底が象牙質に近い部分まで
伸びているために、象牙質や神経の近い部分までに短期間で
虫歯が到達することもあります。
保存的治療か積極的治療かの判断は、歯科医院は一般に器具で
歯のみぞを触ってその感触で確かめたり、光で内部の
空洞を確認したり、レントゲンや目視などが基準になります。
このほかに最新の診断機器のなかには、みぞの虫歯の程度を
レーザーを利用して数値化し、判断に役立てることが
できるものもあります。
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