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2013/09/24
喫煙は煙の入口となる歯と歯周組織の健康にも悪影響を及ぼします。
「大切な人を守る」ためにも、タバコとお口の健康の関係について
知っておくことは重要です。
◆喫煙は歯周病の最大の環境リスクファクター
喫煙(ニコチン)と歯の健康、特に歯周病との関係を具体的
に見ていきましょう。
・歯肉組織に与える急性・慢性の刺激
・歯肉への酸素や栄養の不足
・歯周病特有の出血量の減少
・歯肉の線維化と歯周ポケットの進行
・歯周病関連細菌の増加
・免疫機能の低下
以上のような点から、喫煙は歯周病最大の環境リスクファクターなのです。
日本歯周病学会の「歯周病分類」では、喫煙による歯周炎は、
「喫煙関連歯周炎」に分類されます。
以下は、「喫煙関連歯周炎」の特徴(1~3)と
治療に対する反応性(4、5)についての見解です。
(1)喫煙者は非喫煙者に比べ、歯周病の罹患率が高く、歯周炎の進行も早い
(2)プラーク付着量、細菌の総菌数が非喫煙者と同程度であっても、
喫煙者では歯周組織の破壊が促進される
(3)歯肉出血量や歯肉溝滲出液量の減少傾向、歯肉のメラニン色素沈着などから、
歯周組織の炎症症状が現れにくい。このことが、喫煙歯周病患者の自覚を遅らせる
(4)喫煙による線維芽細胞への障害は、歯周組織の傷の治りを遅らせる
(5)喫煙により非外科治療、外科治療(歯周組織再生治療、インプラント治療を含む
とも、治療後の経過に悪影響を及ぼす
◆受動喫煙で、子どもの虫歯や歯肉のメラニン色素沈着が増える
一般的に、小児・胎児に及ぼす受動喫煙は、気管支喘息などの呼吸器疾患、
中耳疾患、胎児の発育異常、乳幼児突然死症候群、小児の発育・発達と行動への影響、
小児がん、さらに、注意欠陥多動性障害などのリスクファクターとなります。
同時に、受動喫煙により歯周病、小児の虫歯や歯肉のメラニン色素沈着の
リスクが高くなることが報告されてきています。
受動喫煙によって、喘息やアレルギー疾患が発症するよりも、歯肉のメラニン色素沈着のほうが高率に出現します。
歯肉のメラニン色素沈着は、喫煙が影響を及ぼす他の臓器や疾患と異なり、見やすい部位にあり発見しやすいという点が特徴です。
まつお歯科 松尾孝夫 文献:まつお歯科携帯サイトコラム
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