院長の職人歯科医コラム Column

HOME > 院長の職人歯科医コラム一覧 > 高齢者のドライマウス(口腔乾燥症)

2012/10/29

高齢者のドライマウス(口腔乾燥症)

高齢者でよく口が渇いて食べ物が飲み込みにくいとか舌が痛いと
訴えるかたがいます。

これはいわゆるドライマウス(口腔乾燥症)と言われる症状です。

原因としては、加齢による唾液腺の機能低下、口呼吸、ストレス、薬の副作用、
他にシェーグレン症候群などがあります。

シェーグレン症候群とは、自己免疫疾患の一つで口腔乾燥から見つかることも
あります。

症状としては以下のようなことがあげられます。
・飲み込みにくい
・よく噛めない
・噛みにくい
・口が乾燥してネバネバしたりベタベタしたり
・舌が痛くなったり
・傷つきやすくなったり
・味がわからなくなったり
・しゃべりにくくなったり

治療法としては、原因となっている病気があればそれを改善し、唾液の量が減ると
入れ歯の吸着・安定が悪くなるので、調整するか新しくきちんとした入れ歯を
つくります。

唾液は、軟らかい物より硬い物を噛んだ時の方がよくでますので、食べ物も
飲み込みやすくなります。

また合っている入れ歯でも、唾液の量が少ないと吸着が悪くなってしまいます。
唾液の量は、1日に1,000cc~1,500cc出ると言われていますが、個人差も
だいぶありますので、水やお茶で水分を補給したり、人口唾液を使用します。

寝たきりの高齢者では、口腔清掃が難しいので、介助者の方がしっかりと
口腔ケアを行うことです。
食べ物を飲み込むためには、唾液とよく混ざっているとスムーズにいきますので、
保湿のために人口唾液をスプレーしたりスポンジで水分を補ったりします。
水分がないとむせたり、誤嚥したりしやすくなります。

乾燥がひどい場合には、数時間おきに水分を補給します。唾液が少なくなると
自浄作用が悪くなり口腔内が汚れやすくなりますので、口腔清掃は大切です。

高齢者では、薬を服用している方も多くそのことが原因であれば、可能な範囲で減量します。
口呼吸している場合にはとくに部屋の温度や湿度にも注意します。

QOLのためにも、生活環境や食習慣に配慮して【口腔ケア】を行うことで
ドライマウスを防いでいきます。


 まつお歯科  松尾孝夫  文献:まつお歯科携帯サイトコラム

コラムの関連資料は、PDFファイルです。
PDF ファイルをご覧いただくためには、Adobe Reader ® が必要です。
アドビ社のサイトより無料でダウンロード可能です。

Adobe - Adobe Readerのダウンロード