院長の職人歯科医コラム Column

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2013/01/31

歯の詰め物が真っ黒に

ほとんどの方に、金属で治療された後があると思います。
いかがですか?

近代歯科治療において、虫歯治療には様々な金属が使われています。
日本国内での保険治療には、金銀パラジウム合金やニッケル合金や
銀合金そしてアマルガム銀合金などが使用されます。

治療用金属のほとんどが“合金”として使われる理由は
、金属単体よりも合金にする事により強度やその他の性状が
飛躍的に向上するからです。

そもそも、口の中を環境として考えた場合、これほど過酷な
条件の場所はありません。

湿度100%温度37度そして栄養豊富といった場所ですから、
常に種々の細菌が生息している所です。更に、物を食べる度に
ものすごい力がかかる所です。
 
このような悪条件が揃った中に日常、金属がさらされるわけですから
金属の表面に変化が現れても不思議な事ではありません。

金属の表面が黒くなるのは、唾液や食べ物の中に含まれる
硫化物の為です。

歯科用金属の中には銀が含まれています。

この銀が硫化物と反応して、“硫化銀”が生成されます。
この“硫化銀”は‘真っ黒な色’をしていますので、肉眼的に
詰め物が黒く錆びたように見えるわけです。

食べ物を食べるたびにこの表面の“硫化銀”は剥がれ落ちている
わけです。それを飲み込んでいることになるわけです。

人によっては、この為に湿疹が出たり、アレルギー症状を
起こす場合もあります。

このような観点から、口の中に使用する金属としてできるだけ
イオン化傾向が小さく(殆ど唾液の中に溶け出さない)、化学的の
安定した(化合物を作りにくい)金属を選んだほうが良いでしょう。
 
現状では、白金加金(白金と高カラットの金)が推奨されてます。金や
白金はイオン化傾向が小さく、化学的に安定しています。

それに、この白金加金は適度の粘り気と強度があるので、口の中の
材料としては物理的性質を持ってます。

決して金や白金が高価だからではありません。!もちろん、
12%パラジウム合金で用が足せないわけではありません。
しかし、自分の健康に最大の注意をおしまれない方は、より身体に
良いものをお勧めします。

一考する価値があると思います。


 まつお歯科  松尾孝夫 文献:まつお歯科携帯サイトコラム

 

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