院長の職人歯科医コラム Column

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2012/10/20

妊娠するとむし歯になりやすい?

『妊娠すると歯が悪くなる』という話があります。


実際「赤ちゃんができたら歯が悪くなった」と言われることがありますが、赤ちゃんの母親からの栄養摂取とその時期母親の歯が悪くなることとは、何の因果関係も無いのが事実です。


では、なぜ妊娠中に母親の歯が悪くなるのでしょう?

その答えは2つあります。
(1) 歯磨きなどのお口の衛生管理が、妊娠中はどうしても疎かになる
(2) 妊娠によって体のバランスの阻害が起こり母胎を一種の虚弱化状態にしてしまう

昨今少なくはないのですが、妊娠合併症(例えば妊娠中毒症など)の予備軍的状態の妊婦の方は、たとえ著名な症状が発症しないとしても、お口の中の自浄作用がかなり低下します。これらこそが、虫歯や歯周病を発病させてしまう原因なのです。


歯科疾患は、一旦発症すると自覚症状がでるまで一定期間を要しますので、多くは出産後に気がつき、結果「歯が悪くなってしまったのは、妊娠それも赤ちゃんにとられた栄養の不足が原因だ。」と錯覚してしまうのでしょう。

女性の体は、妊娠をすると何かしら体調の変化がおこります。
特に妊娠初期は、つわりで食事ができなくなったり、食事の趣向が極端に変化したり、また妊娠中期~後期にかけて、体重の著しく増加します。この様に体の変化は、肉体のみならず精神へも大きく影響をもたらし、食事の取り方・内容が乱れたり・お口の衛生管理が疎かになったり・・・。


では、どうすればよいのでしょうか。?

その答えは、妊娠する前から始めなくはいけないもあります。
(1) 歯科にて、お口を徹底的に点検すること
(2) 治療が必要な場合、再発しないようにしっかりとした治療を受けること
(3) 妊娠中は、かかりつけの歯科にて定期健診を受診し、歯垢や歯石を除去すること
(4) 偏った食事をせず過食を避け規則正しい生活を心がけることが何より大切です。

このことは、お母さんが風邪はもちろん妊娠合併症予備軍状態も含めた病気を防ぐことにも繋がりますし、「赤ちゃんを産んだ為に歯が悪くなってしまった」などと悔やまずに済むことができるはずです。そして、赤ちゃんもきっと元気に生まれてくると、私は思います。

 まつお歯科  松尾孝夫   文献:まつお歯科携帯サイトコラム


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