院長の職人歯科医コラム Column

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2011/06/14

培養液で歯の土台再生

臓器や骨などのもとになる幹細胞を培養液を使い、
人の歯を支えるあごの骨(歯槽骨)を再生することに
名古屋大学顎顔面外科のチームが成功しました。

幹細胞を移植する方法より安全で効率的な治療として
注目されています。

この6月に京都市で開かれる日本炎症、再生医療学会で
発表する予定です。

歯周病や抜歯で歯を失うと、歯の土台である歯槽骨が小さくなり、
歯の再建が難しくなる。

自分の骨や人工骨を移植するなどの方法があるが、手術時の
負担が大きい。

チームは、人の骨髄幹細胞を培養した液の上澄みを濃縮し、
その粉末を精製水に溶かしたものを、左右の奥歯が欠損した40代
女性の患部にインプラント(人工歯根)とともに移植した。

その結果、歯槽骨が再生し、女性は、約5ヵ月後には硬い食べ物
も食べられるようになった。

チームは以前、幹細胞を移植させることによって歯槽骨を再生
させることにも成功しているが、幹細胞にはがん化の危険性が
あるため、より安全な治療法を模索していた。

幹細胞そのものでなくても骨が再生するメカニズムについて
チームは、幹細胞に含まれるたんぱく質が培養液に溶け出し、
そのたんぱく質の働きによって体内にもともとある幹細胞
によって骨の再生が促されたとみている。


   まつお歯科  松尾孝夫 文献:毎日新聞

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